ワキガの治療には、デオドラント用品を使う簡単な対策から、医療機関での治療まで様々な方法があります。

ここでは、医療機関の治療法とそのメリット、デメリットを説明します。それをきちんと理解したうえで、自分の症状に合った治療法を選ぶことが重要です。

まず医療機関の治療は、大きく保存療法と手術療法の2つにわけることができます。

保存療法について

保存療法とは、手術以外でのワキガの治療法を指します。

塗り薬

病院で処方されるのは、ほとんどが塩化アルミニウム液という塗り薬になります。古くから医療機関で取り入れられている塗り薬で、汗を抑える収れん効果があり、ニオイを抑えてくれます。

ただし、最近では制汗効果のあるパラフェノールスルホン酸亜鉛に加えて、消臭効果の高い成分を配合したワキガクリームが手軽に手に入るようになっています。

病院に行く前に、こうした市販の製品でのケアもお勧めです。

飲み薬

臭化プロバンテリンという薬がわきが治療の代表的な飲み薬になります。(保険が適用される)汗を抑える作用がありますが、副作用で口や目が乾きやすくなったり、尿の出が悪くなるので、長期的な服用は好ましくないデメリットがあります。

ボトックス注射

ボトックス注射は、患部にボツリヌス菌を注射することによって、発汗作用を抑えます。汗をかきにくくなるので、ニオイの原因となる菌の繁殖を抑え、ニオイを軽減します。メリットしては、日帰りで1回10分くらいの治療法で済みますが、デメリットとしては費用がかかること、効果が平均3か月~半年ほどしか続かないことが挙げられます。

手術療法について

わきがの根本的な治療には、手術でわきがの原因アクポリン腺を除去してしまうのがいちばん手っ取り早いと言われています。手術には大きく分けて5つの方法があります。

剪除法(せんじょほう)

3センチほど切開した皮膚を裏返して、目視で確認しながらハサミでアクポリン腺を除去する方法で、最も一般的な手術療法です。

吸引法

わきの下を約1センチほど切開し、器具を挿入してアポクリン腺を吸い出す手術療法です。

削除法

わきの下を1.5センチほど切開し、その部分から器具を挿入、操作させることによって、アポクリン腺を削除する方法です。

切除法

わき毛の生えている部分の汗腺や毛根、皮脂腺を切り取る手術療法です。ただし、わきの皮膚を大きく切り取るために、運動障害の後遺症が残る可能性があると言われています。

マイクロウェーブ法

皮膚を切開せずにマイクロウェーブ(電磁波)をワキの皮膚表面 から照射し、水分に反応して熱を発生させ、汗腺を破壊する治療方でミラドラトともいいます。

手術にはこのように様々な方法があります。手術療法のメリットはワキガを根本的に治療できることですが、デメリットもあるのも現実です。

ワキガ手術のデメリット
保険が効かない場合、高額の費用がかかる
傷跡が残る事がある
術後臭がでることがある
医師の技術しだいで結果に差がでることがある

ワキガ手術には失敗やトラブルのリスクがあります。そもそもアクポリン線をすべて取り除くのは不可能で、場合によっては術後臭がでることもあります。また、手術前と比べて、ワキガのニオイは軽減しているのに、本人が治っていないと思いこみ、トラブルに発展する場合があります。

手術方法によっては、傷跡や色素沈着が残る場合があります。手術は医師の技術次第で結果に大きな差がでるので、信頼できる医師を探す必要もあります。しかも症状や手術法によって、保険が適用されない場合には何十万もの費用がかかることがあります。よほど重度のワキガでない限り、手術には慎重になった方がいいでしょう。

以上が医療機関でのワキガの治療になりますが、何を選択するかは、ワキガのレベルによって人それぞれになります。ただし、手術は最後の手段、リスクがあることも十分に理解しておきましょう。

もし、ワキガのレベルが軽度~中度ならば、まずはワキガクリームでのケアを試すことをオススメします。

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